オレは…エリートなんだ!こんなことがあってたまるか!!

《今週の成果》

6/30 街コンに参加する

6/30 出会った異性と初めてLineIDの交換を行う

6/30 7月開催の街コン情報を調べる

 

・街コンに参加する

 いよいよ出会いに向け船出の準備が整った。スマートフォンという武器を持ち、音楽室のベートーベンの肖像画のようだった髪を切り、新宿で仕入れた高品質の防具で着飾り翌日の街コンに向け最終確認を行っているとき事件は起きた。街コンの事務局よりイベント中止のお知らせが届いたのであった。「まぁ、地方都市開催だし、人数そろわないこともあるよね」と思いつつ、普段であれば「明日は予定空いたから昼まで寝よう」とか考えるのだが、今回は思いの外自身がやる気になっていて、今からでも申し込み可能な他の街コンを調べ、電話をかけて何とか翌日街コンに参加することができる運びとなった。

 新たな街コンの開催地は地域で2番目に大きい都市での開催だったので、高速道路を1時間ほど飛ばして現地に到着した。初めての街コンにどきどきしながら会場に入ると、そこには想像していた街コンとはかけ離れた情景が広がっていた。参加者が男4人女3人という少人数だった。この人数なぜ開催してしまったのか考えるレベルである。その結果、テーブルは2つだけで、1テーブルあたり1時間のトークタイムとなった。いったい初対面の人と一時間も何を話せば良いものか…そして、自分とペアになった男が英語のいっぱい書かれたTシャツを着て、糸のほつれたズボンを履き、指紋だらけのメガネをかけている男で「どうしてこの格好で来た」とビビってしまった。

 

・会った異性と初めてLineIDの交換を行う

 会が始まってお互い趣味や仕事、出身など当たり障りのない会話が始まった。自分はこの会話がどうやって恋愛に繋がっていくのか想像もできずやや困惑気味であった。さらに大きな問題があり、社会人になって少しは改善したかと思っていたのだが、自分は初対面の人と本当にしゃべれないのであった。手前味噌で申し訳ないが、自分は比較的有名な大学を出ているし、大企業ばかり狙っていたわけでもない。周りの人からは、「自分の意見もしっかり主張できるし、話がおもしろいから就職活動は苦労しないよ」とよく言われたものだ。しかし、実際は就職活動に相当苦戦し、唯一内定した縁もゆかりも無い地方の中小企業に就職した。就職活動でよくある質問に「今までの挫折経験とどのように乗り越えたか教えてください」というものがあるが、今なら「一番の挫折は就職活動、現実を甘んじて受け入れることで解決しました」としっかり答えることができる。

 そういうわけで、周りの会話のペースに乗り遅れる自分は、隣に座るみすぼらしい格好で小太りの男より劣っていたのである。初めてのLineID交換に相当手間取りながら、隣の男に教えてもらいながらなんとかLineIDだけは交換できた。

 

・7月開催の街コン情報を調べる

 今回不測の事態と自分の壊滅的なコミュニケーション能力にいろいろと戸惑ってしまったが、初めての参加と言うことでやや許される領域だと思いたい。あと2回ほどは出会い目的ではなく、練習目的で街コンに参加することにした。また、同じ失敗を繰り返さないように初対面の人とビビらずに会話できる練習も別途必要だと感じた。今回のイベントのことをしっかり覚えているうちに新しいイベントの予約をしよう。

 

 今回から今までの準備期間を終えて、ついに実践のステージへと歩を進めることができた。だめだめな感じではあったが、いままで何もしてこなかった自分からすると非常に大きな一歩であった。初めて月面に降り立ったアームストロング船長は言った「これは小さな一歩だが、偉大な一歩である」。街コンによい出会いがあるかはまだよくわからないが、自分の汚い部屋にだけは出会いが無いことは確実である。次の戦略を始めよう、輝かしい未来を信じて。